パンツの裾の傷は誰のせい?
パンツの裾の傷は誰のせい?
クリーニング業界は、たくさんの衣類をクリーニング依頼されるお客様を失いたくないという思いから、
自らの責任が不明な時でも、
責任の所在を曖昧にしたまま金銭賠償するケースが、
残念ながらたくさんあります。
この事が、ある意味で、
結果的にクリーニング業界の地位を下げているかもしれません。
今回、御紹介するケースは、
あるクリーニング店からお聞きした事例です。
クリーニングをしたらパンツの裾に少し引っかいたような傷がついたというクレームが、
とあるクリーニング店でありました。
当然、お客様はお怒りです。
大事なパンツの裾がボロボロになってしまっているのですから。
クリーニング店としても、お客様が大切ですから、
お詫びして、そのクリーニング代やパンツ代を弁償したそうです。
クリーニングをしてそんなことになるのかどうか、疑わしいのですが、
目の前でお怒りになって、クレームを仰っているお客様への対応は丁重になります。
しかし、、、
後日、このお客様が別のパンツをクリーニングに持参したとき、
そのパンツも引っかいたような傷がついていたそうです。
クリーニングをする前に、です!!
幸いにも、受付の時点で気づくことができました。
パンツの裾をより丁寧に点検するようにと、
受付スタッフに指示をしていて、見つけることができたのでした。
そして、傷がついていることを伝え、ふと疑問を投げかけてみました、
「もしかして犬を飼っていませんか?」
と。
お客様は、はっとしたそうです。
気づかれたのですね。
そうです、パンツの裾の傷の犯人は、犬だったのです。
以前、あれだけクレームをクリーニング店に対して言って、
弁償までしてもらっている手前、気まづくなってしまったのでしょうか。
これ以来、このお客様は、このクリーニング店をご利用されなくなってしまったそうです。
こんな形で、お客様とクリーニング店とのおつきあいが終わってしまうのを私はとても悲しく感じます。
お客様が悪いのか、クリーニング店が悪かったのか、
このようなすれ違いを防ぐにはどうしたらよいのか、
考えさせられる事例のように思います。