衣料品の品質保証について ②
衣料品の品質保証について ②
食品加工品には、製造年月日が必ず袋やラベル等で記載されています。
しかし、衣料品には、製造年月日は書かれていませんね!
その最大の理由は、何なんだと思われますか?
衣料品が製造販売されたシーズンにすべて売り尽くされないからです。
衣料品には、食品加工品のように賞味期限、消費期限はありません。
衣料品は、何年か後でも販売可能なのです。
おわかりになったと思います。
製造年月日を記載すれば、
購入者にその商品が売れ残り品だとわかってしまうからです。
売れ残り品だとわかると、
購入者は、定価で購入されることに躊躇されるのではないでしょうか?
製造メーカーさんが製造年月日を記載されない理由は、
そこにあるとワタシは思っています。
ひょっとしたら!!
製造メーカーさんから、こんな反論があるかもしれません。
たとえ、前年度の持ち越し商品であっても、商品品質に問題がなければ良いではないか!!
だから、特段製造年月日を記載する必要はないと!!
確かに、そのようなことは一見正しいように思われます。
はたして、そうなのでしょうか?
衣料品は、染色やいろいろな加工が施されています。
染色も時間が経過すると染色堅牢度が低下します。
低下すると、洗った時などに、
色が流れたり、色が他の部分に移たり(移染)します。
また、加工された衣料品では、加工された部分が剥がれてしまいます。
ポリウレタン加工、ボンディング加工品が代表例です。
例えば、ポリウレタン加工品は、通常3年経つと劣化が始まります。
生地がテキスタイルで一年間保管され、
2年目に衣料品として販売されるもののその年に売れず、
次年度に持ち越し、3年目で購入されたとしたら、
私達クリーニング業者にクリーニングの依頼をされた時は、
かなり劣化がすすんだ状態になってしまっています。
いつクリーニングトラブルになっておかしくない状況なのです。
トラブルになってしまう可能性をクリーニング業者が見逃して、
トラブルになってしまったらどうなるでしょうか?
お客様は、お怒りになります。
コレコレの原因で起こってしまったと説明したとしも、
「それだったら、洗う前に言って欲しい。だったらクリーニングにださなかった」
ということになります。
確かに、お客様の言われることは正しいと思います。
確かに、クリーニングに出さないという選択肢もお客様にある筈だからです。
例えそうだとしても、汚れた服をいつまでも着続けることはできません。
劣化が進んだ服は、どこのクリーニング店に出してもトラブルになってしまいます。
では どのようにしたらいいのでしょうか?
ここにクリーニング業界が取り組むべき課題があると私は思っています。