衣料品の品質保証について①
衣料品の品質保証について①
私が小学生だった頃(50年以上前)、
文房具店でボールペンを買う時、そこに白い紙が置いてありました。
そうなんです!
ボールペンからちゃんとインクが出て書けるかどうか、試し書きができるように白い紙が置いてあったんです。
今は、特殊なペンでない限り、紙は置かれていません。
ボールペンからインクが出て、字が書けることが「当たり前の品質」になっているからです。
それでは、衣料品の「当たり前の品質」とは、何なのでしょうか?
少なくとも、購入したシーズンは、
普通に着用して、衣類のメンテナンス等を行なうことで、
購入時の状態がある程度保てる。
それが、衣料品の「当たり前の品質」ではないでしょか?!
これは、以前、私が買ったブルゾンの話です。
お気に入りのブルゾンで、よく外出時に着用しました。
しばらくすると、どちらか忘れましたが、ポケットの中の縫い目が破れてしまいました。
仕方が無いので、反対側のポケットを使っていると、そちら側も破れてしまいました。
ブランド名を挙げれば、皆さんもよくご存知のメーカーさんです。
破れた部分を見ると、
薄いポリエステル素材の生地を太い針で、
縫い目のピッチ(間隔)も粗く縫ってありました。
「そりゃ破れるわ!!」と思いました。
ポリエステル素材は、少々薄くてもそこそこの強度があります。
しかし、太い針でピッチも粗ければ、太い針で空いた穴と糸のすき間が広くなり、縫い目の強度が低下します。
細い針で通常のピッチで縫製すれば、破れることはなかったと思います。
このことは、縫製のことを少し学ばれた方なら、
お解りになると思います。
なぜ、太い針でピッチも粗く縫われるのでしょうか?
メーカーさんに、なぜ太い針を使うのか? と尋ねたことがあります。
針折れが困るからだそうです。
針が折れるとその交換に時間が取られるのが困るのです。
また、高速ミシンで縫製されるのですが、ピッチがあらければ早く縫い上がります。
それもこれも コストダウンするためです。
お客様のブルゾン、コート等をクリーニングでお預かりする時、
着用中に裏地が引っ張られて生地が破れているのを、よく見かけます。
通常の着用に耐えない !!
変ですね!?
私は、自分のブルゾンの状態をメーカーさんにお伝えしました。
メーカーは、着払いで送って欲しいと。
しばらくすると、メーカーさんからブルゾンが戻ってきました。
今後、このようなことがおこらないようにするというお手紙と
「新品のブルゾン」が!?
これもコストダウンのなせる「わざ」なのでしょうか?!
なんか変だと思われませんか??